ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年11月11日土曜日

本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

  • 本谷有希子 "腑抜けども、悲しみの愛を見せろ", 講談社, 2005, 2006, ISBN4-06-212998-1

市ヶ谷文教堂書店隣のエクセルと帰りの地下鉄で読み終えてしまう (笑). 40 字× 17 行× 183 ページだった.中身は,清深と同じ年代のヨシオが出て来ない代わりに澄伽の同級生の深町が出て来るのと,例の地雷手紙の詳細や待子の過去が描かれている以外は 芝居版 とほぼ同じ.芝居版ではほとんど薄幸の少女状態で最後に一人勝ちすると思われた清深だけど,実は物語ラストの,壊れている上に電源コードすらコンセントに刺さってない扇風機を澄伽が呪いで回すという「奇跡」の現場に立ち会っていない.まぁ,これは奇跡というより,そこで扉が閉ざされたという感覚があるんで,むしろ自重で圧壊したという感じ.つまり,これで完全に「壊れた」.自壊時空からは逃れた澄伽だけど,「私も結局,変われなかったみたい」.まぁ,腐るべきモノが腐って行く過程の観察日誌みたいな小説かと.

カバーのイラストは山本直樹.あれ,こんな絵を描く人だったっけか.こんな反応で済みません (笑).

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