ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年12月26日火曜日

Rozen Maiden ouvertüre 後編 虚飾 Eitelkeit

  • Rozen Maiden gebetgarten für PS2
  • Winter Garden DVD / Rozen Maiden ouvertüre DVD

「アリスになるのはわたし」 © 水銀燈.

水銀燈はマチルドである.ま〜,これは冗談だとしても,それとは別に水銀燈がとてつもなく素ン晴らしいのは,前提条件として与えられた実体的な空虚を観念的な精神によって満たそうとする神をも畏れぬ無謀な意志ゆえに,でござりまするよ.その姿勢がホモ・デメンスあるいは脳化された人間の姿と重なるのですな.ぶっちゃけ,身内贔屓と言ってもよろしい.いや〜,思えば遠くへ来たもんだ (笑).

佳く判らないのが槐の正体.ローゼンの本体あるいは分身なのか,ローゼンの遺珠を乗っ取ったヘルメス相貌のカバリストなのか.言い換えれば,ローゼン本人が究極のアルコンのなかの究極のアルコンであるかどうかということ.真紅は後者だと考えているようだが.

身体における欠損だけでなく,第二ドール〜第五ドールが完成する過程を見せることで精神にも欠如を植え付けておく. Natura abhorret a vacuo つまり horror vacui.真紅によるリハビリ,蒼星石による胴体寸断が「計画」に含まれていたかどうかは判らないが,水銀燈の「水銀燈」としての誕生は大きな役割を与えられていて,すなわちアリス・ゲームの自律性の確立.真紅のオリジナル・ブローチを握り潰しながらの水銀燈の台詞「お父さまが愛しているのは,ほんとうに愛しているのは,わたしよ」,いや〜,この台詞は実に正しい.「お父さま」が誰であるにせよ.ブローチ欠損で真紅にも「欠如」が付与されたことになるが,何でそれを埋めたかはたぶん「お父さま」の想定範囲外.いや〜,ゲームという設定自体が非お父さまである槐と白崎=ラプラスの魔が共謀している「計画」で,ローゼンとはまったく無関係なものかも知れんけど (笑).

「あなたはもう死んでしまった」,え! 水銀燈って真紅自身でもあるのかよ! っつか,最低限でも水銀燈を「水銀燈」足らしめたのは真紅自身の存在だったのには間違いない.いや〜,そういうのは考えつかんかったです.いや〜,コレ以外は,けっきょく新しいことは何一つとして出て来なかったような.「ジャンク」という言葉が発せられたのは,時間軸上ではここが初めてなのかな.白崎ラプラスの魔の介入,蒼星石に翠星石がミーディアムを失い,真紅も契約を解除したことでゲーム中断宣言で強制退去発動.おい,「水銀燈の誕生」が抜けてるだろ,それがいちばんの目的だったくせに,わざと明言しない (笑).

なんかリハビリ中の水銀燈は猫背だな (笑).水銀燈の鞄は他のよりデカいし底も深いような.カスタム・メイドですか.で,槐作のブローチはどうなったの? どういう意味背負って出て来たの? たぶん,どっちのブローチも,そのブローチに対する想いも Eitelkeit なんだろう.

gebetgarten, 祈りの庭.教会や修道院等で実際にそういう名称の場所があるらしい.四阿っぽい感じだろうか. prayer garden ではなく, Angelus garden となると受胎告知の祈りの庭という意味だそうである.その場合,父の祝福を受けて生まれてくるのはイエスなんかではなく,覇者としてのアリスという永遠の少女という名の奇形.

中国っつ〜か,香港では『薔薇少女』というタイトルだそうですな.

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