ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年4月15日日曜日

Noir #19 ソルダの両手

↓こうだったのが
はにかむ霧香
↓こうなる
最強最凶黒霧香

「もしかしたら霧香は.霧香の過去は」 © ミレイユ・ブーケ.

ルーカス・コルソ的な本の探偵あるいは書物狩猟譚風に始まって,霧香の過去が (一部) 暴かれるという,薮を突ついたら蛇が出て来た話.

戯れ言の出典はランゴーニュ写本 (Langogne Manuscrit) なる古文書.十三世紀に南フランス,セヴェンヌ山脈の山の中にあるランゴーニュ (Langogne - Wikipédia) の僧院で秘かに筆写されたもの.後年,さらにそれをフランス語に訳したものをランゴーニュ写本と呼称する.原典に関しては不明.所在は,パリ,ベルリンにそれぞれ一冊ずつあったが戦火で焼失.さらに,ウィーンで私蔵されていたものが一冊あるが,これも焼失している.

クロエが囁き戦法で使用した台詞は,毎回冒頭のナレーションで用いられるもので,例の写本のコピーに後述されるものだと思うが,出て来た順に三つ並べるとこうなる.

  1. 「(ノワール.)其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女.黒き御手は嬰児の,安らかなるを護り給ふ (Le noir, ce mot désigne depuis une époque lointaine le nom du destin. Les deux vierges règnent sur la mort. Les mains noires protègent la paix des nouveaux-nés.)」.これは霧香.
  2. 「ノワール,其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女.黒き御霊は迷児を,劫火の淵に誘ひ給ふ」.クロエ & アルテナさま.
  3. 「ノワール,其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女.黒き衣は乳飲み子を,闇より分かつ盾成らむ」.ミレイユ.

ちょっと不思議なのは,霧香とミレイユがそれぞれ「手」で「護」るもの,「衣」で「盾」なるもの,つまりどちらもガーディアンに等しいが,クロエ & アルテナさまの「御霊」は誘惑者であると規定されていること.「ソルダに仕える至高の刃」であることには何の言及もないことはともかく,これだけでも,霧香 & ミレイユとクロエ & アルテナさまの間に分断があることが判る.ただし,それは 第十四話 の時点で判っていなければならなかった orz.

  1. part A サブ・タイトル前
    1. 霧香ナレーション. "les soldats". 0’20".
    2. 襲撃後のアレクサンドル貿易を洗っていたミレイユが帰宅〜メール着信.このときの画面に Le ciel azure. les nuages ...[画面には

      Le ciel azure, les nuages lactes, la terre qui s'etend. Et dans ce spectacle, le feuillage vert et les grains violets Et sur cette terre je m'apercois couler le rouge transparent. La fraicheur de l'air qui penetre dans le nez, Traverse les cheveux,

      とあるが,これは正しくは

      Le ciel azur, les nuages lactés, la terre qui s'étend. Et dans ce spectacle, le feuillage vert et les grains violets Et sur cette terre je m'aperçois couler le rouge transparent. La fraicheur de l'air qui pénétre dans le nez, Traverse les cheveux, ...

      となるらしい.出典はたぶん 1979 年よりパリで発行されている日本語無料新聞 ilyfunet.com : OVNI- le journal franco-japonais de Paris ではないかと.このページには訳文も載っている.曰く「青い空、白い雲、果てしなく拡がる大地。そんな光景の中、緑の葉と紫の果実。地球のこの彩りの中、赤が流れるのを見る。すがすがしい空気 鼻腔から入ってくる、髪をくぐる、肌を撫でる。感じる……」]
      〜霧香壊れかけ.初登場の "despair". 1’12".
  2. part A サブ・タイトル後
    1. とある大学〜学生たちを羨ましそうに見ている霧香〜「よいしょ」〜文献学者シャテル教授の研究室を訪れる二人組〜 "きれいな感情 - piano version -". 0’55".
    2. 音無しの間に現時点で例の戯れ言コピーの出典はランゴーニュ写本であるが,パリとベルリンにそれぞれ一冊ずつ残されていた写本はいずれも戦火で焼失したと知らされた二人組,さらに探索.ミレイユはあちこちに ping を出してる.プロがやってもダメなものを,素人が図書館で頑張ってもダメだと思うが〜ウィーンの大富豪 Casper[Kasper ではなく Casper.] Edlinger が三冊目を所持しているらしい〜空路ウィーンへ〜エコノミーでは狭過ぎて眠れない霧香,ミレイユの毛布を掛け直してやる〜「ありがとう」.これがラストで利く. "liar you lie". 1’19".
    3. (十八週前, 第一話 での約束「すべてが判ったとき,わたしがあんたを殺す」)〜ソルダ評議会員四人の密談,「試練の名を借りて,あの二人を始末する」〜エドリンガー家の書庫も焼失していた[そんなん,メール一本で事前に判るだろうに.]. "les soldats II". 1’17".
    4. 焼け落ちた書庫前で佇む二人の目の前にクロエがふらりと現れて, 第十八話 での写本内容末尾に追加「ソルダの両手は二人の処女.罪を背負いつ慈愛もて差し延べらるる漆黒の手.ノワール[全文は「罪人は散りてまた集うことなく,されど罪は消えることなく,愛もまた絶えることなし.隠者はまたこうも告げた.ソルダの血は荒野に染み渡り,大河へと流れ込む.ソルダの両手は二人の処女.罪を背負いつ慈愛もて差し延べらるる漆黒の手.ノワール」となる.]」〜以下クロエの解説. 1) ノワールとは本来的にソルダに属するもの. 2) 二人で一つ,ソルダに仕える至高の刃.ソルダの両手.それがノワール. 3) 何故かは語らぬが,ノワール継承の儀式は失われ,その名がもたらす恐怖だけが裏社会に残った. 4) ノワールの真の意味も知らずにその名を騙る無法者がいた〜ミレイユ,ぎくり〜 第一話 の回想を挟んでミレイユの結論,「あんたとわたしを結ぶ糸は黒いだけじゃない.ねじくれた運命の糸が絡み付く」. "les soldats II". 2’44".
  3. part B
    1. (※) ノワールについて饒舌を振るうクロエは妙に楽しそうだな〜さっそく「苦境屈強の騎士」とやらの「試練」〜霧香,壁撃ち[壁を撃ち抜いて向こう側にいる敵を撃つ]披露〜やっぱり下手を打つミレイユ姐さん〜ミレイユを狙う紺服を難なく倒して駆け回る霧香〜気を取り直したミレイユが駆け付けてみると,敵六人に囲まれた中,クロエと二人で踊る霧香.アップ・テンポの快調なマイナーだが,サントラ未収録.戦闘シーンで未収録曲というのは初めて, 2’11".
    2. 嬉しそうなクロエの霧香評,「あなたは人を殺す.何の躊躇いもなく殺す」〜目をそむけたいミレイユ〜霧香に過去の断片を語るクロエ,「あなたとわたしは真のノワール.ともにソルダの巣の中で生まれ育ち, assassin として最高の資質を示したもの.ソルダはあなたの敵ではない.ソルダこそあなたの故郷」〜クロエの囁き戦法に必死で抵抗する霧香〜満足そうなアルテナさま〜さらにナレーション戦法で追い討ちを掛けるクロエ,「ノワール,其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女.黒き御霊は迷児を,劫火の淵に誘ひ給ふ」. "premonition". 3’02".
    3. とうとうクロエのナレーション戦法に屈服する霧香〜身体が覚えていた指の型は 第七話 B パートでアルテナさまが披露したものと同じだが, 1) 左手ではなくて右手で, 2) その手を胸元に持って行く の二点が異なる〜ナレーションを唱え出す,「(ノワール.)其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女. (ここからクロエとユニゾンで) 黒き御手は嬰児の,安らかなるを護り給ふ (Le noir, ce mot désigne depuis une époque lointaine le nom du destin. Les deux vierges règnent sur la mort. Les mains noires protègent la paix des nouveaux-nés.)」,二回繰り返す〜何物かに憑依されたかのような霧香の様子にミレイユが思わず声を掛けると霧香我に返る. "les soldats". 0’33".
    4. ランゴーニュ写本の原典らしい本の挿絵を満足そうに見入るアルテナさま〜とりあえず,今日はここまでで佳いかと,クロエ去る,「近いうちにもう一度,霧香を荘園へ誘うために来る」との予告付き〜アルテナさま,満足のあまり語り出す「隠者はまたこうも告げた.ソルダの血は (中略) 漆黒の手,ノワール」. "canta per me" ア・カペラ版. 0’58".
    5. 夜の噴水脇で霧香の嘆き,「お願い,ミレイユ,そんな眼でわたしを見ないで」〜霧香の足元から延びる三本の影.影をなくした女が取り戻した影は三つだった. "canta per me" ア・カペラ版. 0’38".
  4. 比率
    • 15’09" / 20’40" = 73.3% (05’31").

"les soldats" が新旧両パターン用いられたり,新曲 "despair" や "premonition" が登場して来る中で,旧曲もしぶとく使われているというスタイル.

次回予告集

  1. 「地は哀しみに満ちて 人はただ悪を為す 天は何も語らない 日々の糧
  2. 「裏切りの夏水仙 狩る者と,狩られる者 非情の掟に涙する 暗殺遊戯
  3. 「砂浜に染み入る血 楽園の裏の悪徳の市 因果は寄せる波の如く 波の音
  4. 「地下の墓地に眠るもの ソルダ——罪の中の罪 過去の扉を開ける時 レ・ソルダ
  5. 「雪原に消えた真実 唾棄すべき過去を持ち 雪の中,迷い続ける 迷い猫
  6. 「熱砂の果て 立ち切れぬ憎悪の絆 漆黒の糸が二人を結ぶ 運命の黒い糸
  7. 「世界で最も凶暴な姫君 侵す可からざる者 私には恐れはない イントッカービレ acte I
  8. 「コーザ・ノストラ 死の接吻 遠き日の冠を貴女に イントッカービレ acte II
  9. 「己の影を見た者は死ぬ 第三の処女 私は,真のノワール 真のノワール
  10. 「闇より来たる真の闇 ノワールの正しき姿 処女たちのお茶会 月下之茶宴
  11. 「純真無垢なる訪問者 手にする花は清らなる 血の掟にてなお紅し 刺客行
  12. 「水彩の淡き想い 罪人には許されぬ時間 枯葉は舞う,残酷に 地獄の季節
  13. 「再会の巴里 あの日,故郷を捨てた 過去を撃つ非情の銃弾 ミレイユに花束を
  14. 「ソルダからの暗殺依頼 その標的は 台湾黒社会 冷眼殺手 acte I
  15. 「悪心二千年 黒き手と赤き爪の死闘 組みすべきは,強者 冷眼殺手 acte II
  16. 「追放されし者の帰還 栄華の名残の廃園に 何故か涙は止どまらず コルシカに還る
  17. 「闇の中の私 得体の知れない何か 心の深傷に哭く獣 私の闇
  18. 「禁断の書物 かそけき望みは失われ 悪夢は時の彼方より ソルダの両手
  19. 「雷鳴の道標 慈雨は荒野に降り かくてソルダは芽吹く 罪の中の罪

改行は反映していない.シーンの区切りはスペース.

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