ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年4月1日日曜日

Noir #17 コルシカに還る

Mireille Bouquet 1

「わたし,ソルダの子なんだって」 © ミレイユ・ブーケ.姐さん,ストーカーまがいのクロエが繰り出すアルテナさま直伝ノンサンス戦法の毒気にやられましたか.あんたの特性はボトム・アップ型の言語体系や思考体系を堅持して「切り替えない」ことにあるんだから,そんなテイタラクじゃいけませんよ.

冷眼殺手の二話 (第十五話第十六話) を過ぎると,あとは陰鬱一直線.まずは,何を思ったかミレイユが帰省する.音楽的にも派手だった台湾出張の前がクロード叔父さんの話だったから,その頃から考えていたのやも知れぬ.その知れぬ矢を放ったぞというわけで,今度はコルシカ出張.霧香,今回は追わず.ミレイユ,ほとんどソロ状態でいろんな表情を見せるので,あれこれキャプチャしてみた[ミレイユに引き摺られてか,霧香もいつになく濃ゆい表情を見せる (笑).

  • 濃ゆい霧香 ラスト近くのアップ. 前回次回 と同一人物だとは思えない (笑).
  • いつもどおりのクロエ 担当のせいで,クロエの方はいつもどおり.この辺りのミレイユの絵ももかなりレベルが落ちていてスカスカ.
いや〜,容量を (まだ) 気にしなくてエエというのは気分的に楽だねぇ.回線遅いせいでロードに時間が掛かってすみませんが.].アップはおおむね力が入っているが,ミドルからロングは担当がころころ変わるせいか,ひどくムラがある. 第十四話 時点では不明だった母親の名前はオデットと判明.しかも今のミレイユの相貌や姿は母親に生き写しらしい.兄の名前は未だ不明. Pierre とか Benoît とかだったらうれしいかも (何が?).

Mireille Bouquet 2

ローラン・ブーケのあとを襲って現在のコルシカを牛耳っているのはベルトニエ.ソルダとの関係については何も語らないが,まぁ語れないのとするのが妥当なところ.もしかすると,ローランの死と同時にコルシカはソルダの支配下からアルテナさまの傘下に移ったのかも知れんが.いや,刀傷の男とクロエの関係からすれば,二重支配の可能性もあり得る.ローランの片腕だったというジョルジュ・マドラン,現在はうらぶれている.酔うと外国人訛りが出る.先祖はスペインかイタリアかも知れない.ソルダについてミレイユに何事かを語ってくれるのはこの人物だけ.マドランがクロード叔父さんネタに追加するのは, 1) ブーケ家はソルダとの契約の元にコルシカを手中にしていたこと, 2) 懐中時計に関して「ええ,あの時計はその証 (ブーケ家がソルダのメンバー) の一つです」, 3) 契約があったにも関わらずブーケ家がソルダに滅ぼされたのは「ローランさまとオデットさまはあなた (ミレイユ) を護ろうとして殺された」ためという三点.要はローランはラーイオスにはならなかったということだ.噫乎,近代の超克と苦悩という戯言は置いといて,ブーケ家とソルダの関連を裏付けるものは時計の他にもあるそうなんだが,何だったっけか.しかも,ミレイユとクロード叔父さんを除いてブーケ一家惨殺によって契約は解消されたはずなのに,その証拠を回収しなかったのは何故か.やはりそれらは別の用途に転用されたと考えるのが妥当なところだろうけど.

Mireille Bouquet 3

しかしミレイユ自身はクロエが吐いた「ソルダの子に違いない」という一言で大ショック.そりゃそうだろう,自分がサンスの人,ホモ・サピエンス,進歩と調和の光射す庭と信じていたのに,ノンサンスの住人,ホモ・デメンス,お前の本能は壊れているとか宣告されたら怒るだろう.が,ミレイユは怒らない.クロエの言葉を唯々諾々と受け入れる.あ,アレだ,マドランのダメ押しに加えて刀傷ライフル男との銃撃戦,それが終わったらクロエが現れて息付く暇もなく「クロエと霧香は特別な真のノワール」だの「霧香が「帰りたい」と言ったら帰してやれ.邪魔だてすると殺す」だのと盛んに差別化しておいて「お友だちになりたい」だのという戯言でもういっぱいいっぱい (been dazed and confused) だったんですな.でも,次回以降,クロエの言葉の真偽を確かめることはしないんですけどね.

ちびミレイユやオデットが弾いていたであろうグランド・ピアノ,最高音が c5 なんで 88 鍵らしいんだが低音域が描かれず,メーカー名も不明なのではっきりとは判らない.ひょっとしたら 97 鍵かも知れんという疑惑は残る. g4, f4, e4 は音が出るが d4 は出ない.抜けてるのは何の音でも佳かったんだろうが一応控えておく.

しかし,こうしてキャプチャした絵を見てみると,対象の視線は,正面から立ってるのと上から見てるの以外は全部右奥から左手前へ抜ける形なんですな〜.ちびミレイユが二枚入っているのは .m 氏向け.いえいえ,そんな意図はございません,滅相もない.ないったらない! (笑)

  1. part A サブ・タイトル前
    1. 第十四話 に続きミレイユ・ナレーション.文句もそれと異同なし. "les soldats". 0’20".
    2. (※) マルセイユ〜コルシカ航路船上のミレイユ.なぜか唐突に帰省を思い付いた. 第九話 サブ・タイトル前,断崖のちびシルヴァーナとちびミレイユで使われていたピアノのアルペジオ曲.ぐにゃりの部分でスウィープしてサブ・タイトル. 0’31".
  2. part A サブ・タイトル後
    1. 引き続き船上のミレイユ〜入港〜エッシャーの絵みたいに山の斜面に建ち並ぶ家々〜クロード叔父さんとの夜逃げの回想 (モノローグ付き) 〜少なくとも四両編成の電車〜車室にはミレイユ一人〜孫と祖父の二人連れが移動して来る〜コケた孫を助け起こすミレイユ〜相手がブーケ家の者だと知った爺さん,そそくさと去る.ミレイユ言葉をのむ〜 Itoiz のセカンド "Ezekiel" のジャケットみたいな小さな駅[まるで往年のイタリアかフランスの映画にでも出て来そうな鄙びた駅.
      • ミレイユの生家の最寄り駅 一応複線なんだ.
      色調が明るいのは,まだこの時点ではミレイユに希望があったから.帰りの時点では Itoiz のジャケットみたいにセピア色に変色していただろう.]
      〜歩くミレイユ〜廃墟と成り果てたかつての我が家. "corsican corridor". 2’42".
    2. d のキーが効かない (出ない 〜 d ない) ピアノの現実〜意を決して開かずの間 (両親と兄が惨殺された部屋) の前へ〜ちびミレイユの回想〜思い詰めた表情で開かずの間を開ける〜ギリシア悲劇の間〜廃屋を去るミレイユ〜「オデットさま!」と声を掛けるおばさん〜かつての使用人マリー〜マリー宅でお茶をごちそうになるミレイユ. "melodie" のピアノ・ソロ版.これは初出.サントラ未収録. 2’01".
    3. マリーの亭主ヴィクトルに忌避される現実〜マリー宅を去る〜開かずの間に佇むクロエ〜恍惚感に浸っている〜ぶらぶら歩いているミレイユを顔役ベルトニエの手下が〜ベルトニエも「オデット!」.今度はオルゴール版の "melodie". 1’24".
    4. (※) ベルトニエの忠告「悪いことは言わん.わしにできる唯一の忠告だ.早くこの島から出ることだ」〜ベルトニエの車で送られるミレイユを見張っている顔に刀傷の男. 第六話 A パート最後で使われていた不安のクレシェンド. 0’18".
  3. part B
    1. 一杯引っ掛けて佳い気分のジョルジュ・マドラン〜物陰で待っていたミレイユが声を掛ける〜マドラン,異国訛りで「帰ってくださ〜い!」. "solitude by the window". 0’45".
    2. マドランに懐中時計を見せるミレイユ〜マドランはその由来を知っている. "melodie". 0’15".
    3. 明日知っていることをミレイユにすべて話すと宣言するマドラン〜それを聞いている刀傷の男〜翌日,廃墟の庭園跡でマドランが語り始める〜素面のマドランには訛りがない (笑). 第一話 B パートでの霧香の「わたしは誰? わたしはノワール.それ以外は何も判らない」で使われていたタイトル不詳のシンセ曲. 0’27".
    4. 狙撃されたマドラン,今際の際の言葉が「ローランさまとオデットさまはあなたを護ろうとして殺された」〜ミレイユさっくりと刀傷の男を仕留める. "salva nos". 1’46".
    5. クロエの「あなただってソルダの子に違いないのだから」という発言に自失するミレイユ〜パリ帰還〜霧香に報告, 1) 懐中時計はソルダの時計, 2) 自分はソルダの子なんだって〜泣き崩れるミレイユ〜手を出そうとして出せない霧香. "canta per me" のクイック・ワルツ版.いわば "canta per me III".サントラ未収録. 1’41".
  4. 比率
    • 12’10" / 20’40" = 58.9% (08’30").

コルシカの話なのに, "corsican corridor" は一回だけ.しかし,使われている部分の絵は力が入ってるので印象に残る結果となっている.梶浦サウンドもいよいよ好調で,今回はルバートを利かせた "melodie" のピアノ・ソロ版や "canta per me" のクイック・ワルツ版などを披露している.メイン・テーマ扱いの "salva nos" や "canta per me" はサントラにも複数バージョンが収録されているが,それらよりも先に未収録の二曲を持って来た.本来の示導動機的用法に近いが, "salva nos" や "canta per me" がその第二型が鬱屈したアレンジなのに対し,こちらはいずれももう少し外向きというか,まだ余裕がある状態.

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