ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年2月10日木曜日

ファンタジックチルドレン #19 誓い

  • スクラン DVD 1 / げんしけん DVD 箱 1
  • FC OST / スクラン DVD 1 / げんしけん DVD 箱 1

「ヘルガがあんなに苦しんでいるのに,おれには何もできない.何もしてやれない」 © トーマ.

ギリシア篇の終わり.現代へ戻る.戻ったとたん,一時停止していた話がパタパタと動き始める.タイトルの「誓い」とは,ソランとティナとの間に交わされた,いわば「風鈴を鳴らして 待っていてくれよ 僕も後から行くよ」みたいなもの.

真紅状態のセスは壊れてしまった.ティナ発動の騒乱に乗じてゲオルカが決起,最終兵器ティナを求めて王宮に攻め込む.狂王タイタスはまるで役に立たず,ゴトーが匿う.ソランはティナをタナトルームに運び入れるが,起動装置がまるで癌細胞の如く分裂して体組織と融合しており撤去不能.「人としてティナを殺す」選択を余儀なくされるソランだが,もちろん実行には移せない.アギたちは残された唯一の方法としてティナの魂を肉体から分離し,ギリシアと佳く似た環境である地球に転生させることを選ぶ.

転送カプセルが密閉されると,もう音声は伝わってこない.問題はここからで,何かに気付いたソランがティナの視界から消えたとたんに血飛沫が上がる.代わってセスの後ろ姿が現れるが,銃撃を受け頽れる.けっきょくスイッチを入れたのは血塗れのセス.ううむ,何があったのだ.血飛沫が誰のものなのかが判らん.乱心のセスがソランを切って,ゲオルカ軍の銃弾を受けたというのが最も単純な考えだけど.

  • 血飛沫を上げたのは誰か.

    これには二つあって,ソランとセスの間に切り合いがあったのか否かということ.いずれにせよソランは血を流して倒れなければならないのだが,それがセスとの切り合いによるものなのか違うのかという話になる.

    トーマが見ているソランの映像だが,何も前提条件がなければこれはセスの視点によるとするのが単純明解なのだけど,ここは精神肉体二元論の世界だからな.何かの拍子にソランの魂が肉体を離れて自己の姿を見下ろしているという解釈が成り立たんことはない.

  • 銃撃は誰によるものか.

    近衛兵が飛び道具を持っていたのかどうかは不明なんだが,ゲオルカ反乱軍によるものだとすると,タナトルームに押し入ってきたわけで,アギたちも無事ではないはず.とすると,アギたちにティナ捜索の指令を出したのはゲオルカなのか.

ティナの魂を持つ先行者二人の最も近しい (しかし,たぶんギリシアとは無関係の) 人間はいずれも早死にしているんだけど,トーマは無自覚的とはいえ明らかにギリシアの記憶というか絵を持っているので,この場合は違うだろう.トーマの前身はソランだと思うんだが,その理由は,セスなら「何もしてやれない」などと苦悩することはないだろうという偏見による.彼なら,うだうだ悩むより,とにもかくにも「ぼくが護る」と言いそうだし.

転送が始まったあと,クリスティーナ〜セラフィーヌ〜ヘルガと降りてくる描写と音楽はかなり佳い. OP の別バージョンなんだけど,ヴォーカルがなかったらもっと佳かったかも (笑).

クックス刑事は三ヶ月の職務停止処分を受けるが,おとなしく謹慎してるようなタマではない.面会に訪れたアリスの衣服を強奪して脱出する (笑).クックス刑事はギリシアと関係があるんだろか.ないと思うんだが,それはクックスに与えられている情報量が少な過ぎるからかも知れない.もし関係があるとすればゴトーかなという気もするんだが.

単独行動のヒースマはゲド機関研究所に潜入.キルヒナーの実験データをよこせとゲルタ博士に迫る.ゲルタ博士って元メルじゃなかったっけ,ヒースマは判らんのか.そこに現れるのがデュマ.ティナが発見されたことを見透かす.

一夜明けるとヘルガ変容.ヘルメス相貌ならぬギリシア相貌.髪は白髪あるいは銀髪,眼は青色 (ギリシア人の眼は青色) で,これすなわち,ベフォール化完了.って,なんかインスマンス化完了みたいに聞こえるな (笑).ヘルガは何かを決意しているかのような,思い詰めたような表情.次回は王女として命を下すのか.

まぁ,ど〜でもエエことだけどさ, CM カット編集後で頭から 8’40" 辺り,ティナの額に下がっている宝飾品に塗り忘れがあるのを発見しちまったぃ.その後の 9’07" 付近ではしっかり塗ってある. orz

今更ながら,ヒースマの攻撃的な性格が気になるな〜.これって,ふつう何かのコンプレクスの裏返しなんだけど.

精神肉体二元論というか心身二元論というのはカントの十八番らしいが,そちらは佳く知らんのでパスするとして.この物語での精神 / 心または記憶は,種としてのそれではなく,あくまでも個体に属するもの.いわば表現型としてのソレだ.これに永続性を持たせたいというのは佳く判るんだが (ゲーテがファウストに最後に叫ばしたのはそれ故),それを実行するとなれば話は別だ.ヒースマは人体実験に関してゲルタ博士を難詰するんだが,実際に肉体から魂を分離させてしまったことに関してはヒースマたちも同じ責めを受けなければならない.

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