ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年2月12日土曜日

稲垣足穂『一千一秒物語』ちくま文庫版

瀟洒なカバー・イラストがとってもシャレてると思ったら,クラフト・エヴィング商會の人だった.

  • 稲垣足穂 "一千一秒物語", 稲垣足穂コレクション #1, ちくま文庫, 2005, ISBN4-480-42026-6

収録作は以下のとおり.

  • 一千一秒物語
  • 第三半球物語
  • わたしの耽美主義
  • カールと白い電燈
  • 犬の館
  • 夏至近く
  • ちんば靴
  • 奇妙な区廓に就いて
  • イカルス
  • 僕はこんなことが好き
  • 物質の将来
  • 僕のオードーヴル
  • オードヴル
  • タッチとダッシュ
  • 宝石を見詰める女
  • 人工戦争
  • 白いニグロからの手紙
  • パンタレイの酒場
  • ラリー・シーモンの回想
  • 夢がしゃがんでいる
  • R ちゃんと S の話
  • きらきら草紙
  • 鼻眼鏡
  • WC - 極美についての一考察
  • つけ髭
  • A と円筒
  • ちょいちょい日記
  • 水晶物語
  • 菫とヘルメット
  • お化けのムーン
  • 彗星倶楽部
  • 螺旋境にて
  • 月光密輸入

初期作品集ということだが,初出は 1923 年から 1970 年に及ぶ.むしろ『一千一秒物語』的な物語のコレクションとした方がエエのか知れん.後半では「少年愛」を垣間見せる短編もあり,なかなかに興味深い.え〜,実際のところ,『第三半球物語』ぐらいですでに満腹状態であり,読み通すのはけっこうしんどかったり (笑).初心者には,いろんな側面を見せてくれる新潮文庫の「詰め合わせセット」の方が取っ付き易いかも.今更ながら,『一千一秒物語』には句読点が用いられていないのに気付いた.新潮文庫版も同様.区切りはスペース.

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