ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年2月6日日曜日

杉山其日庵 (茂丸) 『浄瑠璃素人講釈』

再録.

浄瑠璃の「風 (様式)」を追求した講釈本であるから,息子の久作の『謡曲黒白談』より敷居が高い.素養がない故に確かに『百魔』ほど面白くは読めないし,正直素っ飛ばした部分もあるが,茂丸節は健在.そういや,人形浄瑠璃って,まじめに観たことないな.

伝統主義じゃないけど,息子の『梅津只圓翁伝』同様に伝統の重みがひしひしと.芸談の部分はすこぶる面白い.持続は力なり (「継続」だったっけか (笑)).真物に触れること,際限もなく真物と格闘すること,頭だけでなく身体に叩き込むこと,いやぁ,ギャラリーフェイクにでも取り上げられそうなこと言ってんだけどさ.

この本が復刻した経緯は夢野久作方面からは関係ないようで,早稲田大の古典演劇研究コースの成果物が元になっているそうだ.ともあれ店頭で見たときには驚いた.あと,巻末解説によると,茂丸個人の伝記というか逸話集というか,島津書房というところから野田美鴻著『杉山茂丸伝ーもぐらの記録』という本が 1992 年に出版されていたらしい.

0 件のコメント:

コメントを投稿