ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年11月19日月曜日

ef – a tale of memories. #07 I…

  • ef - a tale of memories. OP CDS / ef - a tale of memories. DVD 1

「ソレハ,カミサマガイジッテイルカラデスヨ」 © 新藤千尋.お前がな〜.

お,おお〜,こちらも何やら凄まじいことになってるな〜.善哉善哉.今回は,千尋ー麻生篇とみやこー景ー広野篇にきっちり二分割.あれ,景ー堤篇は? なんて感じで,え〜と,キーワードは悪循環? 入れ子? 故意に曖昧なままで残された不連続点?

avant と A パート.あれ,図書室での千尋と麻生,それを火村か誰かが見ているという設定なのかな.いや,これは当人たち,というか麻生自身だな.同じことを繰り返していることを「知ってる」ということだな.あ〜,「この女の子はもっとズレてるはずなんです.彼女が冗談のようなできごとに真面目に取り組んでいることに,読者が不安や違和感を感じないといけなくて,可愛いと思われたら,この女の子の存在を書き切れていないんです」,キミは読者の誤読するという可能性も剥奪するデスか.いやん.その手の「カミサマ」はすでにお亡くなりになってますが.「伯爵夫人」も「公爵夫人」もすでにこの世の人ではありません.なんてのはど〜でもエエが, 1) 「不安や違和感」は麻生自身が抱いてますよ.図書室(おうせ)虚構(ふあん)空虚(ふまん)  (ぎまん)〜「」という文字絵がそう言っとります. 2) 今回出て来た「絵に描かれた男の子」. 3) 海岸での衝撃的な「もう,そういう場面だと思います」 (これこそ『続いている公園』への注釈!).あろうことか,千尋が書いてる小説は,なんと,ラプラタ河幻想文学[この「女の子」の視線は,いまのところ島から外へ出る気配はなさそうであるから,現在のところ,魔術的リアリズムではない.]だ (笑).とすれば, 1) 描き手の女の子も絵に入る, 2) 絵の中から男の子が出て来る,という結末の二案は彼らが考えているのとは逆の意味になるはず.いや,ちょと待て.千尋の「小説」は,言葉で世界を取り込んで封じてしまおうという無謀な試みなのかも.いや,それって物書きなら誰でも考えることじゃない? あ〜,麻生が「不安や違和感」を持つのも当然だな.何せ相手は十三時間だけ記憶が続くカミサマなんだから.

B パートは みやこー景ー広野篇.というか実質 みやこ のソロ.導入は みやこ の事情.前回の謎台詞「また消えてしまう」の理由は,両親の離婚〜 みやこ を引き取った母親が精神を病む〜で,世界から意図と音が消えた,ということだそうである.で,やっと見付けた音と色が広野.なるほど.ベタ過ぎだけど,一応筋は通っている.で,ここからがまた.デートの待ち合わせ場所で待ってる みやこ が,家に置き忘れている広野の携帯に延々と音声メッセージを送信する.最初は軽い調子で始まって,徐々に壊れて行く.台詞の他は,画面にメッセージの文字と SE[貧乏大臣大大臣.] だけというシンプルの極みのような演出なんだけど,件数で二十一件,時間にしておよそ五分半続くその壊れっぷりが,いやはや凄まじい.最後から二番目のメッセージは一部文字化けしてて豆腐化しとる.ちょいと鳥肌が立った.いや〜,「広野くん|お兄ちゃん,どいて.そいつ殺せない」まで,あとちょっとではないだろうか (笑).

C パート.広野の携帯から景が録音メッセージを (全?) 消去.それは犯罪だ.

ED,みやこ の単独バージョン登場.色と音のない世界観が佳く表れて…… いねぇ (笑).ま.それはともかく,この OP は今更ながら佳いねぇ〜.さすがにシャフト.あと, A パートの海岸も流石.

千尋の小説の追加・変更部分

avant.千尋の読み上げ.削除と挿入は 第五話 との対比から.ただ,書き直しなのか,同じ出だしで始まる別々のパートなのかは判らない.

女の子は世界に一人.だから彼女は神様だ.女の子は物心が付いたときにはそこにいた.島は狭く,半日あれば歩いて一周できる.海岸から見える景色は三六〇度.海と雲と水平線でしかなかった.島には城があった.城の倉庫には保存食や生活雑貨が山のように積まれていて,飢えることはなかった.一生掛けても読み切れないほどたくさんの本もあった.他には誰もいなかった.何もすることがなかった.それが世界のすべてだった.

A パート.入りは麻生.

女の子はある日,海辺で火を熾していた.

続いて千尋.

本の中に,島に流れ着いた人が狼煙というものを上げるエピソードがあったからだ.真っ青な空に白い筋が立ち登る.これは雲と同じもの[ここはひどく無気味な箇所だ.煙が判らないのは佳いとしても,何故それを「雲」と比べるのだ? 比べることができるだけの「雲」という情報を持っているのは何故だ.そういや,海岸のシーンで一瞬だけ羽が生えてたな.まぁ,「雲」に顔を突っ込むことができるのは,翼人かカミサマくらいのもんだろう.]なんだろうかと顔を突っ込んだら,眼と喉がひどく痛かった.あわてて離れると,遠くからそれを眺めた.役に立たないなと理解した.そうやって,一つずつ何かを理解した.理解するということを理解した.

女の子はやがて人間の絵を描けるようになった.彼女は一人の男の子の絵を描いた.そして,今まで描いて来た風景画に,その男の子を書き加えて行った.彼女はそれらの絵を描いた場所に飾った.島の中で絵にしていない場所はなかった.すべての場所で女子は男の子といっしょ.そして絵を見るたびに目線が合う.でも,女の子にはやり遂げた感慨はなかった.これは人間だろうか.考えてみる.いや,これは人間の「絵」だ.動かない,考えない,ただ,在るだけだ.寂しい? 到達したことで,ようやく彼女は自問できた.寂しくはなかった.

「寂しい?」以下がなんとも唐突.眼が開いたときからの孤独な環境にあって,「寂しい」なんて感情を持つことがあり得るのか.

アイ・キャッチ

I...

って,こりゃ,サブ・タイトルだ.なんで今回は? 千尋が書き直し中?

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