"Winter on Watership Down pt. 2"
「そして,柊とアイヴィと櫟だけは,冬も緑にしておくことにしたのです」 © ピプキンの語りによるエル・アライラーとラブスカトルの冒険譚.
珍しく人間が好意的にというか,干渉しないものとして描かれている.のはエエが,ピュシスではそういう存在としてしか在り得ないと思い知らされるわけでもあるが.
しかし,可哀想なのはキハールだな. 前回 ヘイズルたちに放っぽっておかれたせいで,悲痛な想いを味わう.エエ迷惑やがな.利用するだけじゃなくて,ちゃんとフォローしてやれよ.
アップの多用など,絵がいつもと違う感じ.劇中何度も柊の実と葉のアップが出てくるんだが,「永劫回帰」のシンボルだったのですな.まぁ,ディーリアスと同じことを言ってるだけなんだが.
バタカップがいる集団はとある家族に定期的に餌付けされているようだが,ペットでも家畜でもないようだ.カウスリップの養兎場とは違うみたい.そういう習慣というか風習があるのかどうかは知らんが.コンラート・ローレンツが『人 イヌにあう』 (至誠堂, 1966, 1991, ISBN4-7953-0010-0) の前書きで,家畜化された動物のうち,その生き方のすべて関心のすべてを徹底的に (ヒトとの精神的な連帯を強める方向で) 変えてしまった動物はイヌ以外になく,ネコほど変わらなかった動物はいないと書いているが,うさぎの場合はどうなるんだろう.バタカップ的状況に追い込まれたとき,ヘイズルたちはネコ的な妥協のない独立心を保っていられるだろうか.
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