ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2004年9月6日月曜日

piano #06 生き生きと - con brio -

 「一生懸命過ぎると,たまに疲れちゃうらしい.いつかわたしにも,そんなときが来るのかな」 © 野村美雨.

 血の繋がっていない妹血が繋がった姉の暁子さんが突然の帰省.出ずっ張りでなかなか顔を見せない子どもが久し振りに帰ってきたときは出前の寿司ってぇのは,どこの家庭でも定番なのかねぇ.それはともかく,家族の誰もが知らなかったことから,父親の誠司さんも瞳も,なにか訳ありであることを予感しているようだ.親の目は誤魔化せない.あまりにも平凡な,あまりにも幸福な家族の肖像に,翻って己が身を振り返りみれば積年の親不孝を責められてるようにも (笑).

 暁子さん,仕事で何があったんですかね.一切描かれないけど.何か大きなコトがあったのか,些細なことがインクリメントして臨界値を超えちゃったか.でも,内部事情は黙して語られぬまま,野村家の両親はあえて詮索することなく謎は謎のまま置いといて,本人を信頼して自力で立ち上がるのを見守っている.暁子さんを立ち直らせたきっかけは何だったんだろう.あまり楽しそうじゃないけど,頑固に,かつ地道にピアノのレッスンを続けている美雨の姿,だったのかな.ま,生意気に「説教」するぐらいにもなったしねぇ.

  前回 のリアクションの受け手が視聴者だとするならば,今回はそれに加えて登場人物でもある暁子さんもってことだろうか.だとすると,単発の反応のみではなくて, "bouncing atoms" よろしく観察のスパンが長くなるわけだ.

 と,まぁ,好むと好まざるとに関わらず,意識されるされないに関わらず,人間関係の網は自律的に更新され続けるわけだ.

 暁子さんの買い物に付き合った美雨,レッスンに遅れそうなのでタクシーでフォルテシモ音楽院へ.それを見ていた白川先生.白川先生と暁子さんの間に過去に何があったのか,これも語られないままではあるけれど,先生曰く「聴くこともレッスンのうちだ」という訳で,今日は白川先生の演奏を拝聴.ちなみに曲はショパンのホ短調エチュードでした. "Etude e-moll op. 25-5".最初はシンディングかと思ったけど,どうも違う.もっと鬱屈している.んじゃショパンだろうと思ったけど,ショパンは手元に 1 曲も持ってない.しょうがないから midi ファイルで確認. ショパンMIDI曲集.ま,いつもうまく行くとは限らんだろうが今回はうまく行ったということで.

 この曲, 作品解説〜ショパン・エチュード〜 によると「多声音楽の技術の習得」が目的らしい.それはエエんだが, ABA の A 頭のテーマの尾ヒレとか,最後のダブル・トリルとか,グロテスクという他ないんですけど…….

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