「次に聴いてもらえるのは発表会しかないから.だから.わたしの本当を聴いて欲しい.そう,思った」 © 野村美雨.
早いもので,もうクリスマスの時期である.ショーウィンドウのサンタ・クマに気を取られて駆け込む電車.この子ってば,けっこうタイトなスケジュールで動いてんだっけか.飛び込んだ車両内には,参考書広げてる高橋先輩.いきなり回想シーン.滝沢先輩宅にてクリスマス・パーティ.「音楽係」を命じられて,シャドウ・ピアノ (というんかどうかは知らん) でショパンの嬰ハ短調ワルツ.元に戻って,高橋先輩から話しかけられても,まったく会話になってない辺りが.二人分空いてる座席に二度も視線這わせたりして.挙げ句に最寄り駅の一駅まで下車.なんでだろ.そんなに息苦しいというか,持て余し気味には見えんかったけど.結句,レッスンには遅刻か.
白川先生の自室.グランドが置ける部屋かぁ〜.羨ましいですな.グランドの上にはスコアが 3 冊.いちばん下は隠れてて読めんが,上の 2 冊は順にストラヴィンスキーの『プルチネルラ』とムソルグスキーの『展覧会の絵』だ.『展覧会』はともかく,ストラヴィンスキーとはシブいねぇ.会話に詰まると指ピアノを始めてしまうという白川先生もかなりの表現ヘタと見た.っつ〜か,手段が大きくピアノに依存している.四の五のいわずにおれのピアノを聴け,というヤツですな.この,言葉や表情や態度による表現がヘタというのは美雨の不器用さと同じで,だからこそ美雨のピアノが判るということ.
パーティ当日.玄関先に優希ちゃんを待たせての姿を見せない母娘の会話が細かい.
夕凪先生からのアドバイスも abort しちゃって.優希ちゃんからも「今いちばん大切なものってなんなの?」と問いかけられて答えられない.
というわけで,どっちを向いても停滞気味の主人公.別れ際に迫真の表情の変化を見せて.「それじゃ,いつか想いがこもった演奏を聴かせてよ」.この一言に背中を押されて.
動機は不純だが (笑),まぁ自覚的に決断したわけで.部屋に駆け込んでくる辺りも決意のほどが感じられて.のよよ〜んとした話のいちばん最後が con bravura ということでしたな.この辺は ED の歌詞とシンクロしてる.
OP の誰もいないレッスン・ルームで白川先生が読んでいるスコアはワルツ.たぶんショパン.美雨が抱えているのも,たぶん同じ.
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