ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年2月26日日曜日

三遊亭円朝『怪談 牡丹燈籠』

  • 三遊亭円朝 "怪談 牡丹燈籠", 岩波文庫, 1955, 2002, 2005, ISBN4-00-310031-X

あれ,おかしいな〜.昔読んだときは頭三分くらいでお露 & 新三郎の怪談噺は終わっちゃってて,あとは延々と仇討噺が続くと記憶してたんだが (笑).いやぁ,半分以上怪談噺が続いとりましたぜ.あと,びっくりしたのが新三郎の死因.現世的な殺人事件だったとは.え"〜,そだったっけ?

他の登場人物は因果応報で済みそうだが,お露はともかく,新三郎は解せんな.憑き殺され損じゃないですか (笑).

序文を書いてる一人は坪内逍遥.作られたのは 1862 年頃だが,出版は 1884 年.二葉亭四迷らに先立つ言文一致体文学の嚆矢だとか.ライヴから速記で活字起こしてんだから,そりゃそうでしょうよ.四迷の『浮雲』は 1887 年出版.『牡丹燈籠』の元ネタは明の文言小説『剪燈新話』中の『牡丹燈記』だそうだが,圓朝には中国だけでなく,『英国女王イリザベス伝』やモーパッサンに取材した『名人長二』などの作品があるそうで,相当に野心的な落語家だったらしい.アメリカで落語ツアーを敢行した枝雀師匠と通ずるところがあるのかも.

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