ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年12月12日月曜日

パルムの樹

パルムの樹

ほぼ一年振りである.そんときの メモ.のわ〜,のっけから無伴奏『シアンの歌』だったのか.破壊力あり過ぎ.ヴォーカル・パートで 1’20",タイトルが出るまで 2’00" ちょうど.ここで一気にパルム界に引きずり込まれる訳である.『マイスタージンガー』や『フィガロ』より圧倒的に速いじゃん.

ってな感じで頭の方はすっかり忘れてるぐらいだから,没入しましたよ.こういうとき低処理速度と小記憶容量の頭だと,とうの昔にリセットされてるから,新鮮な気持ちで観ることができるのでたいへんお得ですね (笑).子どもの頃の「わくわくしながら観る」感じに近い.いや,もはや「わくわく」はあり得ない気もするんで,「ひくひく」かも知れんけど (笑).

前回も言及してたけど,今回真っ先に思ったのは.このお話は一言でいってしまうとパルムの「憑物落とし」ということになっちゃうんだよな.修行が足りません.いや〜,文字にしようとすると軽薄な言葉しか出て来ん.ポポから生まれた無償の愛がパルムに伝わって,それが世界を壊しかねないほどに傷付き腫れ上がったコーラムの死せる魂を癒して解放した云々とか.

palme というのはフランス語でシュロの枝 (葉) や古語でヤシを意味する.シュロの枝から派生して,それを与えられるような「栄誉」も意味する.コーラムの「わたし,頑張ったんだ」という言葉への返答にもなっているわけだ.エンディングですきっと立っているパルムの樹は,頑張ったけど報われなかった人たちの祈りを救い上げる救済の樹だ.ということにしとこう.ついでに星も一個増やしとこう.

本編中アレンジを替えて何度も出てくる『シアンの歌』,これは,「愛を失ったのだから」「思い出をなくしに行く」という問い掛けの歌だったんですな.なかむら監督の歌詞は,むしろコーラムの方を指してるようにも思えるが,世界を失う=愛を失うとしてしまえば問題ない (笑).ってか,両方に当てはまる.その幾度となく繰り返される問いへの答が『空の青さ』の「すべて失う今でも 心は君に」.お〜,最低でもここを抑えておけば佳いわけですね?

水,あるいは水中のシンボルが満ち満ちている地上界はステキ過ぎる.俯瞰もスケールがドでかいので「わくわく」あるいは「ひくひく」感増大に直結してる.細部と黒が潰れ気味なので,もっと大画面の高画質で観たいよ〜.電柱と電線は『serial experiments lain』と言いたいところだが,やっぱ宮澤賢治かな.小さなマンドリンぐらいの大きさの五弦リュートを弾くポポの右手の絵は凄かったですな.二回目はひょっとして音とぴったし合ってない? 観てて快感.

なんか画面が暗いなと思って ネコ版 と比べたら明らかに暗い.どうしたんでしょ? ひょっとして,ところどころマスキングもされている?

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