ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年6月5日月曜日

蟲師 #24 篝野行

  • 蟲師 DVD sp 3, 4 / 蟲師 OP CDS / 蟲師 DVD sp 3, 4 (二発目) / nice & neat
  • 蟲師 DVD sp 3, 4 (三発目) / nice & neat

「断る.おれもあんたの立場だったら,同じことを言えたか判らんよ.あんたらが始めた闘いだ.この先も続くんだ.あんた一人で終わってもらっちゃ困るんだよ」 © ギンコ.

OP なし.ここんとこ,というか BS フジで再開されてから,なんか,アーキタイプっつ〜かね,そんな話になってるような気がするんだけど.第一巻しか読んでないけど,まぁもともとの原作のテイストがそういう味わいなのではあるけれど.プロメーテウスとかパンドーラーとかヒトをヒト足らしめる過剰とかいう単語あるいはフレーズが頭の中をぐるぐるしたが,観終わって落ち着いてみれば,『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』で,地下の広間でダンディライアンが語る昔語り / 頓知話のようにも思えて来た.その割りにはエル・アライラーは表立って活躍しないんだけど,たぶんフリスさまとの契約かなにかで具体的に行動することを禁じられていたかどうかしたんだろ (笑).

火のイメージと言えば,不死鳥,はる (霽る,腫る,張る,晴る,墾る,春),宇宙の基本的な実体であるところのヘラクレイトスの火,永遠のエトナの火,祭りの火,劫火なんてところだろうが,これが現象としての「かげび (陰火? 翳火?)」,実態としての「ひだね (火種?)」,つまり贋の火となると,全ての意味が反転するんだろうか.プロメーテウスはゼウスを欺いて盗んだ火を人間に与えたことになっている.しかしだな,ほんまにゼウスはそんなに間抜けの阿呆だったのか.ヘーパイストス辺りに命じてあらかじめ贋の火をプロメーテウスが盗むように仕組んでいたとか,いや,対立してるなんてのは嘘っぱちもエエとこで実はプロメーテウスとゼウスはツルんでいたとか.そして人間は与えられた「かげび」を「火」だと思い込んでる,とか.現状,そう思ってもあんまり違和感ないよな.

で,与えられた方にとっては,それが一つしかない以上,真か偽かってのはどうでもエエことで,なんとかそいつと折り合いをつけなければならない.ここでの救いは,原作からして視覚に訴えるものであるから実に美しく描かれているように,対象が「外に在るモノ」という点に尽きる.実は,そんなにすっぱり割り切れる話じゃなくて,外に在るどころか,きっちり内在化していて不可分のものになっているというのが問題で云々.とテキト〜に進めて行くと,実に安易な文明批評に陥ってしまうが,それは原作者やスタッフがもっとも忌み嫌うものであろうことは容易に想像が付く話だ.

というわけで,ここではギンコが手足を縛られたエル・アライラー,野萩がラブスカトルあるいは実動部隊としてのエル・アライラーとして,フリスさまを出し抜いて何とか上手くやって行くお話,ぐらいに止めておいた方が佳さそうだ.

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