ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年6月8日木曜日

アンドリュー・ヴァクス『ブルー・ベル』

  • アンドリュー・ヴァクス "ブルー・ベル", 佐々田雅子 訳, ハヤカワ文庫, 1995, ISBN4-15-079603-3, (Andrew H. Vachss "Blue Belle", 1988)

バーク・シリーズ三作目.今度はミシェルに養子が.前作で街頭に立ってたテリイが引き取られ,モグラのもとで着々と仕込まれ中.

今回の「運命の女」は,「D カップのブラの中で,重力に逆らってまっすぐに突き立っている」乳房の持ち主,ストリッパーの大女ベル.依頼人からの使いだったが,あっというまにバークのファミリィに仲間入り.三作目でようやくシュヴァルツシルト半径内に入ってくる女が.あまり「幼児虐待」が表に出て来んなと思ってたら,このベルの生い立ちが凄まじい.母親が姉である.新入りの彼女にファミリィのみなはもちろん,バーク自身もいろいろ躾を教え込む.その間に自分の過去も語る.なるほど.今回の敵は空手屋の殺人鬼モーテイ.腕はマックスと同程度らしい.これがマックスを付け狙い,対決するためには,マックスとイマキュラータの子どもフラワーを手に掛けることも辞さないというので,バークはこの三人をボストンへ追い出して,その間に仲間でケリを付けようとする.実際にモーテイと対峙するのは 380 ページ辺りからだが,ここから残り 200 ページの求心的なクレシェンドがもの凄い集中力.その間もバークとベルは身も心もヤリまくるから,もうたいへんなのである.カバーには「シリーズ代表作」と銘打ってあるが,それはひとえにベルの一途さゆえ.今までの中では最も映画向きかも.

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