ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2004年5月23日日曜日

人形劇版『フィガロの結婚』

 佳く考えなくても全曲演奏には休憩なしでほぼ 3 時間掛かるんだから, 110 分ちょいではカットがあるのは当たり前ですな.というわけで, ザルツブルク・マリオネット劇場 での録画.ナレータがいて,ピーター・ユスチノフだったりする.ナレーションによるストーリー圧縮だけでなく曲自体にも手が入っている.

 人形劇には遣い手が下にいるか上にいるかで 2 種類に別れると思うんだが,こちらは後者.いわゆるサンダーバード・タイプでユルコフスキの本によれば「糸あやつり人形」.なんだが,ちょっとびっくりするのが,その「リアル」さ.サンダーバードのそれは体格のパーツのバランスが変で,ちょっと見れば判るんだが,こちらはオペラという先入観もあるのかも知れんがロングだと一瞬ほんまもんの歌手が舞台に立っているんじゃないかと錯覚するほど.おまけに舞台美術がまたリアルで細かい.日本で云う「人形劇」というイメージで観てると平手打ちを喰らう.人形自体も予想していたのよりかなり大きいようで,文楽人形よりも大きいんじゃないだろうか.だもんでセットをリアルに造り込むこともできるんだろう.人形の所作もけっこう細かいんだよ.凄ぇ〜.舞台はけっこう奥行きがあるみたいで,第 3 幕の結婚式のシーンなんか前景後景に合わせて 20 体近く出てくる.操演もたいへんだろうな.上記サイトを観てみると DVD も作っていて,プレゼンターがピーター・ユスチノフなんで,その英語版 DVD を放映したんかね.

 上記サイトのレパートリーのページ観てみると,音源は必ずしも既成のものを使う訳でもないみたい. "Hänsel und Gretel" なんかは演奏も生なんかね.『こうもり』がクラウスの古い録音ってのはシブいね.『セヴィリアの理髪師』がヴァルヴィーゾ盤ってのも愉快.で,この『フィガロ』はジュリーニがフィルハーモニア管を振った EMI 盤を音源として使用している.これはね〜, 4 枚組アナログを買って,散々っぱら聴いたですよ.懐かしい〜.今聴くとバルトロ (Vinco) とフィガロ (Taddei) はちょっとアレだね (笑).だけどヴェヒターさんの伯爵は佳いね.

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