ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2004年11月7日日曜日

Gate Keepers 21 #06 羽音

Sound of Feathers

OP がないばかりか,他より 5 分近く長い.

最後の聖戦に赴くのは影山,雪乃,里香の三人だが,昏睡中の綾音に別れを告げて美羽も戦場へ.第一話で綾音が言っていた「面白いこと」は狩りなのか.それともその先にあるものか.美羽にとって「面白いこと」は「みんなのために闘いを終わらせること」だ.それは佳いが,美羽は跳躍のゲートしか使おうとしない.やはり半身では無理なのだよ.雪乃が消え,影山も里香も最期が近い.そこへ鈴の音を響かせて綾音復帰.合一した半身同士,原付きに乗って空を跳ぶ.言ってみれば「トビアガル -狂い咲く Gate Keepers の証明-」 (笑).最終決戦は文字どおり頂上決戦.ここで美羽が倒れる.合一した後だから,弱い部分を切り捨てたということか.

幽霊少女の目的は邪魔な人間たちを一つにまとめて,一斉に消すこと.結果として,時間が止まった anywhere out of the world が出来上がることになる.「自分を嫌いな人間が,自分と同じ人間を友達に欲しがっちゃいけないよ」 © 五十鈴綾音.それはそのまま自己へ向けての言葉だ.幽霊少女が今際の際に発動したのは「黒いゲート.憎悪によって反転した負のゲート」.世界消滅.ここで終われば Gilgamesh 的虐殺エンドなのだが,総てを消し去る消失のゲートの逆位相はすなわち再生のゲートということで.「ま,一見ご都合主義的な展開ではあるけれど」 © 太刀川里香,その通りだよ (笑).インヴェイダーの存在もそのままだし.

「よくやったな,綾音」と声を掛けるのは浮矢瞬氏なんだろうか.クレジットを見るとそうらしい.

「きっと面白いことは,一人っ切りじゃできないんだろうなってことだ」 © 五十鈴綾音.自己の弱い部分を直視できるようになり,弱い部分が持っている長所を取り込む度量も身に付けるようになったらしい.静止画集だった ED の最期で,拒絶していた糞親父の墓参りにも出掛けているし,最後の止め絵は,綾音,美羽,里香,雪乃,ちなみん,なおちゃんの六人で写っているものだ.これは前半三話分の OP ラストでも用いられているもので,やはりこれが最終テーマなのだろう.

「声も性格も行動もへろへろの真鶴美羽」だが,実はそれほどヘタレている訳ではない.非武装ではないけど,実際に死の危険に瀕してもインヴェイダーに手を下すことがない.いわば信念を持ったヘタレだ.何事も徹底している綾音の半身らしい存在である.綾音的には美羽は可視化した存在である必要はない.彼女は視聴者のために作られた存在だ.

前作も原作もゲームも知らないんだが,これ,とっても面白い.これ書くために何回か観直したけど厭きない.難点があるとしたら,最終話がちょい長いことだ.おかげで,容量節約モードで録ったら 3 + 3 話できちんとした形では RAM 両面に入らないよ (泣). 4 話の avant を前に持ってきたら入るけど,少々気に入らん (笑).前作もこんな二分割幽霊綺譚なんだろうか.それなら観てみたいかも.

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