ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年1月30日月曜日

蟲師 #14 籠のなか

  • 蟲師 DVD 1b (台詞なし 15 秒)
  • 蟲師 OP CDS / 蟲師 DVD 1a (台詞あり 15 秒)

「困ってたんだよ.もう三年も人通りがなくてな.おかしいだろうが,おれはずっと此所から出られずにいるんだよ」 © キスケ.

未来は鬼にある (かも).三年もの間,竹林から出ることができずに彷徨い続けている男.ある地点から西を目指して歩いているにも関わらず,元の地点に戻ってしまう.そりゃ,かなり小さな曲率で空間が閉じてるんだよ (笑).などという半ばお約束のボケは置いといて.だいたい,それなら特定ではなく全員が出られないはずだというツッコミも置いといて.『堤中納言物語』に「蟲愛づる姫君」というのがあるが,その上を行く「蟲 (に) 愛されて蟲を愛する姫君」ってなトコですかね.姫君かどうかは微妙なとこだが (笑).

(字未詳だが読みは,まがりだけ)
おそらく「間借竹」か.白い竹に似た姿をしているが,名称にも関わらず植物ではない.竹林を形成する地下茎に寄生する蟲.寄生するが竹林を繁茂させる成分をも分泌して伝播させ,竹林を広げて己が子株を増やす.キスケとセツが暮らしている (閉じ込められている) 竹林には計五本が生息している.「命の水」と呼ばれる水に似た体液を摂取すると まがりだけ の意志の影響下に置かれる.
(字未詳だが読みは,おにこ)
たぶん「鬼子」.蟲と人との間の子.非常に稀れな交ざりもの.アイノコクラスタ.

野田秀樹の『半神』に「風呂から生まれた風呂太郎」という台詞があるが,こちらは「筍から生まれた竹太郎」,とは言わねぇよな.でもまぁ『竹取物語』という先達もあることだし.植物からヒトの子どもが生まれるというのは,形象に由来するせいもあるんだろうけど,貝と並んであまり突拍子もないイメージではない.ま,けっきょくあちらは「折り合えない」という「割り切れない話」だったんだが,こちらは一味違う.なんか今までの話では「わたしは (小指を立てて) 蟲で道を誤りました」みたいな話ばっかだったんが,これは何となく未来があるというか,蟲師以外にも「蟲とヒトとを繋ぐ」存在がある (かも知れん) というか.それが鬼子ですね.それが鬼子ですか? 聞くなよ.まぁ,「鬼」というのはそういう境界にあるいは類縁に位置する存在だよな.当然ながら徴付きだから,それぞれの中心からは反作用が働くのは当たり前だし.

脱線.ギンコは「脳に手足が逆らえんようにな」と言ってるが,逆らってる例ならオリヴァー・サックスとかにいっぱい出てくるぞ.むしろ逆で「脳は手足に逆らえん」.

「籠」という字は⺮に,円筒状で長いという意味の龍(ろう).大蛇のような細長い竹かごの意味だそうである (『漢字源』).

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