ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年4月1日金曜日

ふたつのスピカ #09 カンパネルラの森

「おれをロケットに乗せてくれるんだろう?」 © ライオンさん.

とりあえず小学一年生のちびアスミの話なんだけど、これが謎な話.教育者としての鈴成先生がなくしかけていた自信を取り戻すというフレームの中に,時制が判らん話が封じ込められている.

唯ヶ浜小学校裏の「みたけ山」に登るハイキング大会.ライオンさんのハーモニカの音に森の中に迷い込んだアスミは,配線の脇に苔むしたロケット型の「ひみつ基地」を発見する.ちびアスミによればライオンさんの姿が見えなくなった直後の話らしいから,第一話のあとに位置するらしい.ま,それはエエとして,なら頭の回想シーンらしきものはどうなるんだ.ここで回想されているのは,最後でバラシてるからそれを援用すると「ひみつ基地」を作ってる最中の幼少期の高野くんとちび万里香の交遊だ.時おり思い詰めたような表情を見せるちび万里香が印象的だが,万里香って年齢幾つなの? ちび高野くん=ライオンさんとの交わりがそれぞれリアル・タイムだとするなら,万里香って鈴成先生ぐらいの年齢ってことになっちゃうんだよな.ほぼカスパー・ハウザー状態でほとんど軟禁もしかしたら監禁状態に等しい万里香がなぜ外に出ることができたのかも謎だが,回想シーンの最後で,被り物じゃなくてライオンのマスクを付けている高野くんが被り物を被った見慣れたライオンさんの姿に変わると,紙飛行機が飛んでくる.肉体を失ったライオンさんの元へは,こんな風にいろんな思念が飛んでくるんだろうか.で,いろいろ時間を操作してその要請に対応していると?

佳く判んないけど,ライオンさんは孤独な万里香に対しては同年代の友だちという関係を採用する. OP でも出てきている二人のダンスもここで見ることができる.最後で出てくる「ひみつ基地」に刻み込んだ文字が言う宇宙に対する万里香の想いもライオンさんから受け継いだもので,それはたぶん「息苦しい今を脱出して広い世界へ」というデュルタル的なものだと感じておけば佳いのだろうか.

銀河鉄道から降りてきたジョバンニにとってカンパネルラが途中まで一緒に旅した親友であり,年の割りに大人びた先生格でもあり云々とするなら,複数いるのはジョバンニの方だということになりそうで,それがアスミであったり万里香であったり鈴成先生だったりするんだろうか.う〜ん,だとすると今の頑な態度からするにライオンさんはちび万里香へのフォローが足りなかった? (笑)

ちび高野くんもデキるヤツだったらしいが,「宇宙から唯ヶ浜の打ち上げ花火を見たい」という一文から鈴成先生が高野くんを確認するのはとっても佳いシーン.

avant は「獅子号墜落」.今んとこ,リアル・タイムのお話では「アスミのゆめ」,第一話,五話に続いて九話の過去話三本は「獅子号墜落」が対応しているようだ.

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