ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年4月2日土曜日

『コゼットの肖像』特別版の第一印象

録画の都合上リアル・タイムで観てしまったんで,とりあえず第一印象.

いやぁ,凄ぇっす.『Perfect Blue』というよりも『The SoulTaker』,加えて『月詠 -Moon Phase-』でも散々っぱら使われていたエキセントリックな構図と夢幻的なカメラ・ワーク,好みのものばっかしだぜ (笑).お話はホラーっぽいけど,アーネスト・ダウソンとアデライーデみたいなもんで,いわばダウソンが行きっ放しになっちゃったのに対し,こちらは取って付けたように戻ってくるというシンプル極まるもの.余計な枝葉がないから,充分に絵のインパクトに拮抗しとりますな.最初のコーラスで作曲者が判ってしまう音楽は梶浦由記の手によるものだが,唯一弱点と思えたのが意外にもこの音楽.なんか甘いというか具象的に過ぎる感じで,足を引っ張ってるように感じられた部分が多々あったのが自分でも意外.とまぁ,とりあえずそんな感じ.

『巌窟王』もそうだけど,こんな素晴らしいアニメーションを観せられたら,どんな実写映画が太刀打ちできるっつ〜んだろ.役者の芝居に頼らない心象表現なら,もはや勝ち目はないんじゃない? となると,どんなに画面を整理して行っても必ず何かしら夾雑物が残ってしまうという特性をフルに利用するしかないのかね.計算して残してしまうと同じになっちゃうから,意識せずに残っちゃうもの,ハプニング性みたいなもの? ま,血の通った肉体としての役者が演じるという点だけは,アニメーションはどう足掻いても勝てんわけだが.

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