ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年4月22日金曜日

ふたつのスピカ #12 ふたりの星はっぱ星

「かさねちゃん,寂しいのは君だけじゃないよ」 © ライオンさん.
 「口に出した言葉だけが真実とは限らないんだよ.誰もが気持ちを上手に伝えられる訳じゃないんだ.寂しくても楽しいって言ったり,悔しくても嬉しいって言ったり,好きなのに嫌いって言ったり,逢いたいのに逢いたくないって言ったり.いちばん大切なのは,おちびちゃんの心だよ」 © ライオンさん.
 「わたしがいちばん欲しかったものは,パパでもなくて綺麗な身体でもなくて,ほんとうの友だちだったんだ」 © 柴田かさね.

いったいいつ頃から大人がダメになったんだろうというか,何でもかんでも他人のせいにするダメな大人が執拗に描写されるようになったんだろうねぇ〜.子どもに罪はないだろうに.まぁ,確かに老若男女問わず「心がささくれて,死んだ魚のような眼をした蛆蟲のようなクズ共」 (© 妖精国女王) が増えてるとは思うけど.

友朗さんは事故調査委員会遺族係へ左遷か.実質的にはほとんど辞めろと言われてるようなもんだ.墜落の原因 (の一つ) はあとで多少は判るんだけど明らかに政治的要因に帰因する人災で,その点では友朗さんも被害者だし,なにより今日子さんも失ってるし.そして,そんなことは一言も口にしないし.ま,器が小さいからそんな所を思いやるだけの余裕もないんだろう.

ラスト・シーンで成人した (?) かさねちゃん (らしき人物) が読んでるのは宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』.しかもブルカニロ博士が出てこない最終形.またかという感じだが (笑).駅で別れたときにアスミからもらったのと同じような星形の葉っぱを栞にしているページは「石炭袋」の終わり〜ジョバンニの覚醒〜牛乳を受け取りに行くという重要なシーン.あ〜,そういやジョバンニと初期形第三次稿のみに登場するブルカニロ博士の関係って,アスミとライオンさんとの関係に似ていないこともないな.とすると,,一度はアスミを通じて博士と繋がっていたこともあったが,博士が出てこない最終形を微笑みながら読んでいる成人かさねは博士が介入する段階を脱したということか.まぁそっち方面とは関係なくて,「カムパネルラはもういない」ことを体得したのかも知れんが.しかしながら,これはむしろ最終形『ポラーノの広場』の最後の場面,トキーオで孤独な生活を送るレオーノ・キューストが郵便で届けられた「ポラーノの広場のうた」の楽譜を読んでいるシーンを想起させるのは何故なんだろう (笑).

avant は「獅子号墜落」.ちびアスミの過去の話は 第一話第五話第九話 に続いて四本目.

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