ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2005年1月9日日曜日

Kurau Phantom Memory #24 さよならの前に

  • 巌窟王 DVD 1 / Kurau DVD b / Kurau OST Crimson / Cowboy Bebop Best CD
  • ワるきゅーレ dx

「大丈夫よ, Kurau.お母さんはいつでもここにいる」 © 天箕アイネ.

窓を開いて新年を迎える.気合いを入れて最終回を迎える.

エピローグなのだが, Kurau と Christmas にとってはまだ語られねばならない.従って,この二人にとっての最終回. avant はいきなり 10 年後の Christmas の姿だ. Rynax 洪水の回収とその後の経緯に関しては,カットバックとして "Moonlight" に乗せて無言のうちに描かれる.これがとても印象的.全部を語らないからよけいに心を撃つ.その後の王警視正以後のシーンは時系列が一度回収後の時点に戻って断片的に描かれるのだけど,受け手に取っては一繋がりの情報として受け取れるように整理してある.前回描かれなかった Kurau のリナサピエンとしての終焉は,天箕宅での回想シーンとして描かれるのだが,ここら辺のシーケンスは音楽の力もあって,かなり強力に金縛る. wired 指数はとくにその値が高い 3 x n 話群の中でも,たぶん最高度.

第一話 avant での天箕アイネの言葉は映像のみで音声なしだったのだが,ようやくここで「何を語ったか」が明らかになる.それが冒頭で引いた台詞なのだが,たぶんこれをいうために 24 話を構築したのだろう.ほっぺたをぴしゃりとやる仕草もアイネ -> Kurau -> Christmas に引き継がれている.

実際のところ,Kurau がリナサピエンとしての終焉を迎えた時点で,リナサピエンとしての Kurau の役割は Christmas が引き継ぐことになり, Christmas もそれを自覚している.

10 年後の主要登場人物の姿が,それぞれちゃんと年齢を加えた姿で描かれているのは,当たり前とはいえ好感度.やっぱ,絵は最後まで鉄壁でしたな.アヤカはテッドの新しい母親になるのかと思ってたが,旦那さんは佐伯耕四郎というか渡邊綱というか,その声の持ち主だった (笑).ダグとテッドの父子にも焦点が当てられて,二人は Christmas の手料理を食べにスイスを訪れる.そこでテッドに淡い恋心を抱かせるのはベタかも知れないが,うまい表現だと思った.

スイスから帰途に付いたダグの言葉にもあるように,緊密だった Kurau との関係も切れてしまった Christmas は,自分のうちに潜む Kurau だけを支えに 10 年という時間を生きる.ときには寂しくてベッドで泣くこともある.そして.長い時間を経て Christmas の中から新 Kurau が復活する.これはまさに Kurau -> Christmas の再現.母系社会の強さとか,伝統の力とかに思い至るわけである (笑).なんかね,もう輪廻転生というか永劫回帰というか大いなる正午というか,もう萩尾望都『スター・レッド』でしょ.こういうの弱いんですよ.手放しで褒めちゃう.新 Kurau の復活は旧 Kurau にも感じ取られていて,緊密ではなくなったとはいえ,まったくの無関係になってしまったのではない描写も佳い.ううむ,ゲーテじゃないけど,「永遠に女性的なるもの,我らを引きて昇らしむ」なのかねぇ……

やがて OP が流れてきてスタッフ・ロールが.噫乎,ここまできて 30 のスクロール・クレジットかよ,しかも切れ目なしときたもんだ…… orz

と,まぁ,こんな感じだな.有無を言わさぬ金縛り力もあって,個人的には文句の付けようのない最終回.『忘却の旋律』と並んで, 2004 年ベスト 2 決定.甘噛みさんには あまり評価されてない な〜.あ〜,ミオルさんは かなりの高評価 のようで,やや安心.この小心者め > 自分.

Kurau でも Christmas でもどっちでも佳いけど,実は,この作品の主人公は彼女らではない.第 22 話 のときにもちょいと書いてるけど,勝木ゆかりさん (S.E.N.S.) の音楽が主人公なんだと思う.それほどこの音楽は強力だ.ベスト 2 に入れたのもこの音楽ゆえである.とくに ED 曲 "Moonlight" の暴力的なまでの情感の揺さぶりはたまらん.新居昭乃さんの OP も強力. CDS はタイミングが悪くて買えてないけど,『エデン』を買わせるほどの力がある.四六時中こんな強力な音楽が流れていたら生活に支障をきたしそうだ (笑).週一 30 分でも相当な威力.その意味では終わってくれてほっとしている部分もある.これと Rozen Maiden は R に焼いたばかりか RAM にも再エンコして退避したですよ.バカですね.

もう一つ,「音楽が主人公」ってぇのにも関係するけど,ふつう R に焼くなり RAM に退避するなりするときに,チャプタ打つでしょ.たいては atvant (ある場合) - OP (incl. Sponcer Call: before) - A pt. - B pt. - ED - preview (incl Sponcer Call: after) ってやると思う.これで 1 話につき 5 - 6 個のチャプタができるわけだ.うちは最近では確認とサムネイル取得用にサブ・タイトルにもチャプタ打つから,もう一個増えるわけだけど.これで 3 話分まとめたら,チャプタ数は 15 - 18 個になる勘定だけど, Kurau Phantom Memory の場合は,別の基準も加えちゃったんだよな.つまり, 音楽の切れ目にもチャプタを打つ,と.そうすると多いときで 3 話で 50 近くチャプタを打つわけですよ.そうすると大ジャンプが面倒だから,新たにメニュー画面も加えるわけで.自分でもバカだねぇと思うけどさ.だいたい 1 クール終わった当たりから焼きの準備を仕出してるから,その頃すでに「音楽が主人公」という認識 (あるいは誤解) を持ってたんだな.あ,さすがに再エンコして RAM に退避した分には,通常仕様を適用しているんで,チャプタだらけにはなってない.

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