Rozen Maiden #12 真紅 Reiner Rubin

• Rozenmaiden DVD 1 / Rozenmaiden OP CDS / Rozenmaiden ED CDS
• Air -prelude- DVD
• ああっ女神さまっ preview

「わたしは真紅．誇り高い Rozen Maiden の第 5 ドール．そして，幸せなあなたのお人形」 © 真紅．

水銀燈と真紅の，ほんとにほんとの最終決着．次回に回そうにもこれが最終回 (笑)．でも，なんだかんだ言いながらも，メイメイやホーリエ，スイドリームにレンピカ，ベリーベルまで繰り出しながらも，真紅の左フック一発で決着が付くとは，どゆこと (笑)．

でも，ほんとの見せ場はここから．全回の真紅の右腕もぎ取りよりもさらにグロテスクな場面が．なんと水銀燈は腹部を欠いた未完成品の二分割幽霊 (幽霊じゃないけど) だった．唖然．分割された肢体を一つにコンポジットしていたのは藍色の衣服と水銀燈自身の意志の力だったのか．そのコンポジットがファイナライズされ，碧蓮の炎に包まれて上半身が頽れるシーンほどグロテスクなものはない．水銀燈のジャンク・コンプレクスの原因は己が肢体にあったのか．

あとは大団円だな．一度真紅たちは消えてしまうけど，充電期間を経て再び「人間より人形の方が人口密度が高い」悪夢が蘇るのもお約束とは言え，まぁ，佳いではござらぬか．「悪夢」が悪夢であるかどうかを決めるのは当事者の心の持ちようひとつだ．すでに，ここでは悪夢とは看做されていない．

社会復帰する意志を固めたジュンを見てみれば，「ヒッキー調教アニメ」というか「対ヒッキー用カウンセリング・アニメ」としてはまがりなりにも一応の結末をみたわけだが，ドールたちの寓意劇にはなってくれなかったな．蠱ゲームとしての「アリス・ゲーム」に勝者が決定した後の事項はまったく描写されないし，なによりもドールたちにとって克服すべき存在であるところの「おとうさま」がまったく画面に出てこないのも，いささか遺憾． 1 クール 12 話では無理だということか，それともそんなのに興味はなかったということなのか．ま，その点は，個人的には非常に似通ったテーマを扱ってると思える『月詠』の方がまともに取り組んでくれそうな予感．とはいえ，気に入ってないのかといえば， R に焼いたぐらいだからそんなことはない．充分に面白かったですな．ただ，期待していたベクトルには向いてくれなかったというだけのこと．