- 新居昭乃 "eden",ビクターエンタテインメント VICL-61214, 2004
夜の音楽.部屋を暗くして音量を上げて浴びるようにして聴く.タイトルからの不可避的な連想だろうけど, "パンジー" とか,なんか神話的イメージがある.アンビエント系とコンプ掛けたウィスパー系の融合みたいな感じもある.下の方はあんまり出てないようだけど,高域のキレがシャープな楽器群と丸っこいコーラスが埋める空間の真ん中に,生々しいヴォーカルがすっきりと立ち上がる.ちびぶくや Yamaha の小型スピーカでは気付かなかったが, "N.Y." など,曲によっては,音像がデカ過ぎる気もするが,まぁエエか.楽器群の位置は左右だけでなく,前後や高低まで入ってるような感じだけど,これは気のせいだろうか.
やはり不思議なメロディ・ラインというか,不定形で即興的な形というか,意表をつく進行というか.まぁ,不定形というのは嘘言だろうけど.一度聴けば覚えてしまって鼻歌歌えるような形がないってのが痛快.なんか,フリー聴くときのような聴き方してるな (笑).
ずっと聴いていると,目を逸らしている部分,封印している心の暗部,そういう闇に潜むものを暴くというか,目を向けさせようとする意志を感じる.怖い音楽だ.
チューニングも録音の仕方もいろいろなタイプのドラムスが入っていて,けっこう面白い.ドラムスが入ってるのは全 13 曲中半分弱の 6 曲で,山木御大,佐野康夫,白根賢一が 1 曲ずつ叩いている他は Asa-Chang がスティックを握っている.数が多いだけあって, ビル・ブラのような張りつめたシャープなスネアが印象に残る.
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